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街の明かりは眩しくて
夜があってもそれを感じさせないほど眩しくて
だけど、暗黒の闇に囚われそうになったとき
その眩しすぎる明かりは
希望の明かりへと輝きだす
さぁ、貴方の行く先で
眩しく光っているその場所へ
希望へたどり着くためにその一歩を踏み出そう
そこで貴方の大切で愛しい人が
微笑みながら腕を広げて待っているから・・・・・・
「やっべぇ、遅くなっちまった。蓮花、大丈夫かな?」
とある高層ビルの入り口。待ち合わせ場所に慌てて走ってきたのは寺島美樹。
武蔵坂学園大学医学部の学生だ
彼はあたりを慌てて誰かを探す
彼の大切なリトルレディと待ち合わせしているのだが・・・・・・
「あ!美樹お兄ちゃん、こっちこっち!」
心配になりかけていた時に、その愛しくて可愛らしい声は聞こえた
彼が声のする方へ行くと、微笑んで手を振る少女が待っていた
彼女は雨月蓮花。背が高いのでよく間違われるが、まだまだ小学3年である
よかった、と胸をなでおろす美樹。そんな彼を、首を傾げきょとんとして見上げる蓮花
(あ~、その表情反則だってのに・・・・・・)
そんなことを少し思いながら、美樹は蓮花の頭をくしゃりと撫でる。
「行こうか、足元気をつけろな?」
高速エレベーターを使って最上階へ
屋内はカフェバーになっており、夜が更けるとアルコールを提供するバーになる
屋外には望遠鏡やベンチが設置している
こちらは夜が更けると軽食を持ったカップルが増え、ベンチはいっぱいになった
「うわぁ、大きな宝石箱みたい!」
屋外の展望台に出た蓮花はその景色を見たとたん、走って柵の近くまで行く
危ないぞ。と言いながら速足で歩いてきた美樹の前にも、その夜景が広がった
「本当だ。すげーな!」
ついさっきまで、自分達がいた場所はミニチュアの世界の様に見えた
美樹自身も子供の様に少しずつ、自分のテンションが上がっていくのを感じて楽しい気分になる
「ねぇお兄ちゃん。自動車があんなに小さいのよ」
「あぁ、そうだな。向こうにいたらきっと俺らも、ずいぶんと小さく見えるんだな」
そうだねー。と蓮花がにっこりとほほ笑む。あどけない笑顔だ。
そんな笑顔が美樹には眩しくて、もう一度彼女の頭を優しく撫でた
スカイツリーや東京タワーの光を探しながら歩いた後、夜景が一番よく見えるベンチに座る
「あ、アイスティとクッキー持ってきたのよ」
そう言って布製のクーラーバックからそれを取り出し彼に渡す
蓮花はぱくり、と自分のクッキーを一口頬張る
(いつもの味なのにこうして美樹お兄ちゃんと二人で食べると、ちょっぴり甘くなるのはどうしてかな?)
そっと見上げた美樹の横顔は凛々しい騎士のように見えて何だかドキドキして・・・・・・
どうした?と、首を傾げる美樹に彼女はちょっと勢いよく首を振ってしまう
そんな蓮花を微笑みながらそっと抱きしめ、目の前に広がる宝石のような夜景を眺める
(俺らが大事にしなきゃいけないものがきっと沢山ある。だからその時間を大切にしないとな)
「サンキュー、蓮花。こういう時間っていいな。また来ようぜ?」
「うん!また来ようね?」
そっと蓮花が美樹の手を握る
お互いの手の温もりが、甘く優しい時間が、幼い心とそれを守りたいと思う心にゆっくりと流れ溶けていった