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「風樹、どうしたの?」
夜空を眺めていたのは義兄の風魔風樹だ
彼は毎日聞いているその声に、ふっと微笑んで話しかける
「ちょっと眠れなくてな。蓮こそとっくに就寝時間過ぎてるぞ?」
「私も寝られなかったの」
えへっと笑顔になる彼女を見て彼は少し呆れたが、そっと頭を撫でた
「明日遅刻しても知らないぞ?」
「だ~いじょうぶ!風樹じゃないもん!」
「・・・そうか。ならもう部屋まで起こしに行かなくてもいいんだな?」
「・・・えぇ!」
遅刻しないなら当たり前だ。と鼻で笑う風樹。
そんな彼にふくれっつらで抗議する蓮花・・・
他人から見ると、妹をからかう仲良しの兄・・・という感じだろうか
二人が灼滅者である事を除けば・・・
「・・・なぁ、蓮」
風樹の呼びかけに、星空を見上げていた蓮花は、なぁに?と首をかしげた。
「・・・・・・もし俺が、闇落ちしたらお前はどうする?」
何時に無く真面目な表情の義兄を見上げ、彼女は言う。
「もちろん助けに行くよ。でも風樹は闇落ちはしないもん」
凄い自信だな。と苦笑した彼に、にっこりと無邪気で優しく今度は微笑んだ
「だって風樹は騎士なんでしょう?騎士はお姫様を守るのが役目なんだよ?」
だから闇落ちしないの。と、当たり前のように言葉を付け加えて。
そんな彼女に風樹はそっと目を細め、手をぽんと頭にのせる
ずっと守られてきたその手は心地よく・・・
えへへ。と魔女見習いのリトル・レディは風の見習い騎士に微笑んだ
「さてと、そろそろ部屋に戻らないとやばいぞ?蓮。」
そう言って歩き出す風樹の後を、待ってよ~!と、慌てて追いかける蓮花。
そんな二人の背中を夜空の星達がそっと見送る
『おやすみ…闇と光を宿した地上の美しき連星よ。また明日の夜に会おうぞ?』
夜中過ぎの夜空・・・
星達だけは次の季節の星座の時間帯に入っていた